秋のタブ祭り：うまく踊れなかった僕の選択

この秋が「タブレット祭り」になるというのは随分と前から分かっていた。
何が発売されるかもだいたい分かっていて、結果的に概ねその通りになった。
（Nexus10とiPad4は予想外だったが）

だから物欲を発散するにしても、十分に慎重に検討すべき時期なハズだった。
それなのに、結果的に言うと僕の買い物は失敗したかもしれない。
なんというか「急いては事を仕損じる」の典型だった。

まぁまだ買ったものが全部来たワケじゃないので本当に失敗かは分からないけども。

僕のタブレットへの取り組みスタンス

そもそも僕はあまりタブレットをうまく使いこなしてないという自覚があったりするので、いくらガジェットが好きだと言っても、欲しいだけ全部買うというのはどう考えても無駄。
本当は家に1台あれば十分というスタンス。

これまでのタブレットへの取り組みは、
・初代iPad：なんか馴染めず東京の別宅で子供のオモチャに
・初代GalaxyTab：デカいスマホ感がイマイチでほとんど活用しないまま親に譲渡
・初代SonyTablet S：世間の評価はイマイチだが、個人的にはわりと満足して活用中
という感じ。

ただ、iPadも初代に比べると相当進化してきたし、GalaxyTabの7インチというサイズの絶妙さは印象に残っていたりしたので、やっぱりこの秋に発売されるタブレットは何かしら手に入れておきたいなぁと思っていた。

更に、iPod touch4G以来、2年ほどiOSデバイスを買っておらず、さすがにスペック的に厳しくなってきたので、新調したいという思いもあった。
（ちなみに大人の事情により未だにiPhone童貞継続中）

ということで、やっぱりiPad miniを中心に検討かなぁと思っていた。

一方でAndroidやiOSそのものに飽きてきているという一面もあり、また「MacでWindows8を使ってみたら意外に楽しかった」というエントリでも書いたけど、Windows8を是非ともタッチデバイスで使ってみたいという思いもあったので、Surfaceもいいなぁと思っていた。

なので、大きいタブレット兼PCとしてSurface、モバイルとか寝モバ用にiPad miniかなぁというのが夏の終わり頃の構想だった。
（まぁ本当は2台も要らないとも思いつつ…）

秋に入ってからの状況

なんだけど、秋に入るとやはり色々と状況は変わっていった。
刻々と変わる状況に一喜一憂せずに対応できてればなぁと今は思ったりするのだけど、もう遅い。
まぁ順を追って思い出してみよう。

XperiaTabletが発売

まず9月に入って、当初の構想になかった気になる1台が発売された。
XperiaTabletである。

前モデルを気に入って使っていた僕にとって、質感アップ・軽量化・バッテリーが倍もつ・4コア化・nasneからのお出かけ転送対応・生活防水・充実した周辺機器という非常に順当な進化をしたXperia Tabletは、かなりの魅力だった。

まぁでも現時点で普通のガジェット好き目線で考えると、コイツは買いじゃない。
候補になるワケがない。
なにせリコールかかって発売中止してるから売ってないw

防水をウリにしておきながら、製品の工作精度が低くて隙間開いてましたーとか、マジで全然笑えないしお粗末すぎる。それ以外にも色々と不具合が多いようだし。

それにそもそも高い。後発の癖になぜプレミア価格w
解像度もイマドキのタブレットとしては考えられないほど低い。
なんだコレ、誰が買うんだwww

･(ﾉД`)ヽｳﾜｧｧｰｰｰｰｰ

誰が買うかって？XperiaTabletなら俺の横で寝てるぜ？ orz orz orz
…店頭で軽く触ってみて気に入ってしまい、気づいたら家にあったよ。

慎重な検討が必要な秋のタブ祭りで、まさかの最初の1台を衝動買いである。
今思えば、これで勝負あったという感じだ。
ガジェット好きが聞いて呆れるレベルの取り組みだ。

でも買った当初は実に気に入って使っていたのだ。
（っつーか今も使ってるけど）
確かに少々高かったけども、先代の弱点をことごとくクリアしてたし、nasneとのスムーズな連携ウマーーとか思ってたし、質感高くて薄くて軽くてサクサクだし。

ペリタブ不具合と激安なNexus7の販売開始

しかし、XperiaTabletの高揚感は長くは続かなかった。
スリープ中に勝手にシャットダウンする現象が頻発し始めたのである。
使いたい時にササっと手にとって使えないタブレットじゃ魅力も半減だ。

さらに追い打ちをかけるように2つのニュースが駆け巡った。
Nexus7がXperiaTabletの半額以下で国内発売開始。
そしてXperiaTabletの「防水と言ったな。あれは嘘だ」のリコール。

Nexus7はとにかく評価が高く、コストパフォーマンス抜群ということで、ガジェット好きの多い僕のTwitterのTLを見てると「持ってて当然」くらいの勢いで誰もが買ってる。
そして手にした人の評判も良い。
まぁせめてもの救いは届いてない人も意外に多いというくらいかw

そんな中、僕は絶賛リコール中のXperiaTabletを涙で濡らしながら、故障受付の開始をじっと待つハメになってしまった。
衝動買いのバカ！

悔しくて2回ほどNexus7は買いかけた。
というか一度注文までした。
結果的に思い直してキャンセルしたけど。

そもそも衝動買いで失敗したのにまた衝動買いするのもアホの極みだし、iPad miniの正式発表もまだだった。更に、32GBモデルが同じ価格で出るという噂もあって、なんとか思いとどまったというところ。

Surfaceは日本未発売

一方の本命だったSurfaceはまさかの日本未発売。
世の中の注目がタブレットに向くこのチャンスを、なぜMSがみすみす逃したのか、理解に苦しむところだ。

もちろん輸入で買うという手もあるのだけど、SONYからもDuo11というWin8搭載のわりと魅力的なVaioが出たりしたので、なにもSurfaceにこだわる必要も無いかなぁということで、サクっと選択肢から除外。

最近出てきたレビューなどを見ると、結果的にSurface見送りは正解だったかなぁと感じている。少なくともWinRTは鬼門な感じだ。

WindowsPhone8端末の国内販売も当面無いということで、MS方面の意欲はすっかり減退してしまった。場合によっては新しいLumiaを輸入するのもアリかなぁと一時は考えていたけど、新型はなんだか重くてケバくて全然魅力を感じなかったし。

そしてiPad mini発表

周りがNexus7最高とかコネーとか楽しそうにしてる間、XperiaTabletを涙で濡らしながら生活防水の効果を確かめていた僕だったワケであるが、もうこうなったらスゲー良いハズのiPad miniを買って勝ち組になってやると、目を血走らせながらAppleの発表を待っていたのである。

で、発表されました。
で、何コレ高い。
で、何コレRetinaじゃない。
今さらiPad2と同じスペックかよー。
という感じでガジェット好きからはまさかの酷評の嵐。
クソっ、やっぱりNexus7が勝ち組か。

そしてもう1つのまさかはインターバル半年でのiPad4の発表。
まぁこれはiPad3を買って無かった僕には単なるメシウマだったワケだが。

更にまさかのKindle参入

iPad mini発表の負の衝撃も冷めやらぬ中、翌日にまさかのKindle参入。
そしてKindle FireHDがNexus7より更に安い価格で登場。
お…俺はなんて高いタブレットを衝動買いしてしまったんだと更に自己嫌悪。
FireHDを3台買ってもお釣りが来るなんて。

あと、タブレットとは違うけども、Eインク端末を持っていない僕としてはPaperwhiteにもかなり興味を引かれた。
というか、買った（非3Gの一番安いヤツだけど）。

更に更にGoogleからNexus10も

そこで終わりかと思いきや、まだ役者は揃ってないとばかりにNexus10が発表。
XperiaTabletより安いのに性能は全然上だしAndroidのバージョンは2回りも上。
解像度なんて比べるのも恥ずかしいレベル。

どこまで俺を悔しがらせるんだと。
もう俺のXperia Tabletは悔し涙でグチャグチャだよ。
（でも防水だからまだ動いてるけど）

役者が揃った後で…

そんな感じで9月からの2ヶ月でやっと役者が揃った。
厳密には国内キャリアからの国産LTEタブレットなんかもあるんだけど、タブレット如きのために回線契約なんてしたくない僕としては、ソイツらはとりあえず舞台の外。

で、時すでに遅しではあるのだけど、僕にとってのベストなポートフォリオってなんだったのかなぁなどとツラツラ考えてみたりした。

僕的にはiOSもAndroidも両方持っていたいという思いがあり、そういう条件の中で改めてタブレットを考えてみると、10インチ級はiPad、7インチ級はAndroidってのがやっぱり収まりが良いのかなぁというのが今の思い。

iPad miniの発表の時にSchiller氏も指摘していたけど、Androidにはタブレットに最適化されたアプリがほとんど無く、基本的にスマホ用アプリを使う場面が圧倒的に多いのは、僕もAndroidタブレットを使っていて実感しているところ。
要するに「デカいスマホ」的な使い方にならざるを得ない。

とするならば、やはりAndroidタブレットとしてのベストサイズは「デカいスマホ」でも違和感の少ない7インチなんじゃないかなと。
Nexus10みたいなキチガイ解像度があっても、ブラウジングは快適だけどアプリでは無駄が多い気がしてしまう。

逆にiOSはタブレット最適化アプリが多いので、果たしてminiの小さい画面でそれらが生きるのか少々疑問だったりする。それよりはRetinaでバッテリーも異常にもつiPad4の方が間違いない選択なんじゃないかなぁと。

Kindle FireHD（単なるFireには全く興味ないので割愛）は7インチのAndroidでしかも安いということで、Nexus7との関係が気になるところだが、ここは迷う余地がそんなに無いと思っている。
要するにどう考えてもNexus7だろうと。

やっぱりFireHDのGoogle Play非対応というのは不安があるし、コンテンツ消費にしたって、そもそも北米と違ってAmazonプライム会員用の映像コンテンツなんかも無くて電子書籍メインなワケだからKindleアプリで十分だろうと。
それにAndroidはやっぱりGoogle謹製が一番安心ということもある。

ということで、僕的にはiPad4とNexus7を買うというのが一番ベストだったのかなぁという気がしている。いや、多分Nexus7だけ買ってれば十分満足で、iOS機は新しいiPod touchでも良かったのかもしれない。

でもそれじゃ面白くないので

だけど今さらNexus7を買ってAndroidタブレットが無駄に2台というのも面白くない。
2年ぶりのiOSデバイスも欲しい。

ということで、かなり迷ったのではあるけども、ガジェット好きの評価は低くてもiPad miniを買ってみようという結論を出し、既に自宅に到着するのを待っているというのが現状。
上に書いた理想と全く逆で10インチのAndroid（XperiaTablet)と7インチのiOS（iPad mini）という組合せになってしまうけども。

iPad miniを買ったワケ

iPad miniを買ってみようと思ったのは、最近のApple製品では、発表直後は評価が低いけど徐々に評価されていくというパターンが多いというのが1つある。
初代iPadなんかもそうだったし、iPhone5の時も発表直後は失望感があったけども、結果的にはバカ売れで誰もが絶賛という感じだし。
というかiPhone5は通信キャリアの買収合戦とか設備投資に影響を与えるというレベルの恐ろしいプロダクトだったワケで。

あと、実際にiPad miniに触れた人の印象とかレビューが押しなべて良いのも気になる点だ。
Appleエバンジェリストの林氏のレビューはまぁいつもの平常運転で話2割くらいとしても、本田雅一氏とか石川温氏なども高い評価をしているのは気になるところ。

もう1つ、僕が普段Retinaデバイスに接してないので、iPad miniの「非Retina」があまり気にならないということもある。
そもそも「Retina以外に考えられない」とか言ってたら選択肢が狭くなりぎてガジェット好きなんてやってられないという思いもある。
それに現状ではRetinaは重さ・薄さとのトレードオフという面もあるワケで、どっちを重視するのと言われれば後者でも全然おかしくないなぁと。

一点、やはりコストパフォーマンスがNexus7に比べて大幅に劣るというのは気になる部分ではあるのだけど、そもそもApple製品ってローエンド端末じゃないよね、プレミアムブランドだよね、ということで自分としてはアッサリと納得できている。
毎年キッチリお布施している信者でもあることだしねw
おそらく価格に見合った質感も実現されているだろうという期待もある。

ということで、長々書いてきたけど、iPad mini次第で僕の今年のタブレット購入の取り組みが失敗だったのかどうかが確定するので、楽しみなような不安なような…。
現物を見ないで買っているあたり、結局は衝動買いとたいして変わらない相変わらずのアホさ加減なのだけど、さていったいどうなるやら。