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iPad体験イベント@MacPeople編集部に行ってきた

iPadとMacPeopleの2ショット
レビュープラスさんの「一足お先に体験しよう!発売日直前iPad体験イベント@MacPeople編集部」という企画に当選して行ってきたので、そのレポートでも。

今回のイベントに応募したのは、もちろん「iPadに触ってみたかった」というのもあるのだが、それと同じかそれ以上に「出版社の人の話を聞いてみたい」というのもあった。iPadはあと2週間もすればいくらでも触れるし。
普段の自分の仕事では出版社の人と関わることは無いし、それに俄に盛り上がる電子書籍の流れの中で激動の時代を迎えているというウワサの出版業界にちょっと興味があったということもある。

こんな資料まで用意してくれていた
今回のイベントでは、MacPeopleの吉田編集長から、「マックピープルの作り方」というお題で雑誌が作られていくプロセスをお話頂いた。とてもフランクで親しみやすい方で、現場の裏話的なエピソードとかブログにはちょっと書けないような話まで披露して頂き、非常に面白かった。
そのお話の合間に各人にiPadを回し、一人5分程度のiPad体験タイムがあったという感じ。

5分程度の体験でiPadを語るというのもアレなので、このエントリではiPadレビュー的なものを書くつもりはあまりなく、編集長の話の中で印象的だった点などを中心に書いていきたい。

雑誌の良さを再認識

会場には1995年創刊号からのバックナンバーがずらり
出版素人な僕は、「今や雑誌の情報は遅い・古い」という漠然としたイメージがあったのだけど、実際はそうでもなさそうだった。
確かに特集の企画などは2〜3ヶ月前から始まるようだが、実際に執筆・編集をするのは発売日の3週間くらい前からで、そこから発売日の5日前ほどまで作業をしているとのこと。3日前に校了したというようなことまであったらしい。
ということは、発売日に買えば情報の古さというのはあまり無いんだなぁと。

ちなみに校了後に印刷・製本というプロセスがあるのが雑誌の情報鮮度のボトルネックなのかなぁと思っていたのだが、どうも必ずしもそういうワケでは無さそうで、一番ボトルネックになっているのは取次から地方への配本に時間がかかることらしい。
書店は書籍が届いたら棚に並べても良いらしいので(発売日というのはあまり関係ない?)、地方の人はAmazonから買った方が届くのが早いということもあるらしい。

校正中の原稿も見せてくれた
そしてやっぱり出版物というのは違うなぁと思ったのは、非常に念入りな校正のプロセスがあって、文章構成とか細かい表現に至るまで複数の人の目でチェックが行われているというところ。
実際に校正中の原稿を見せてもらったが、読点の場所とか助詞など「こんな所まで直してるんだ」というほど細かい部分まで修正が入っていて驚いた。
このブログみたいにほとんど推敲もしないで文章垂れ流しというのとはやっぱり根本的な質が違うんだろうなぁと(比べること自体失礼なことだが)。

あと、校正する時に紙を出力して赤ペンを入れているというのも印象的だった。
なんかその辺はかなりデジタル化が進んでいそうなイメージだったのだが、やっぱり「紙にしないと分からない」という部分があったり、「紙じゃないと見落とす」というところがあるとのこと。
確かにモニターで読んでると漫然と読んじゃうというのは分かる気はする。
ただ、さすがに編集部の外のメーカーとか著者にチェックしてもらう時はPDFベースで校正しているそうだ。

とりあえず、一連のプロセスを聞いて思ったのは「雑誌の情報は意外に古くない」「やはりネットのUGC等に比べると質が全然違う」ということで、普段ネット(特にブログ)情報に頼った情報収集ばかりしている僕も、雑誌の良さというものを再認識した次第。

その他印象的だった点
他にも色々なお話が聞けたのだが、僕の能力的に体系的に書くことができないので、箇条書きでいくつか。
  • 特集の企画立案はAppleが秘密主義なせいで見切り発車もある
  • 立案にあたって500〜600人の読者アンケート結果を重視している
  • 編集者がやりたい企画がMacと全然関係なくても、頑張ってMacと繋げる!例えばヨガ特集は「Mac使ってると疲れるから」という理由でOK!
  • 企画を考える時はネットだけでなく、家電量販店や書店などの店頭を回ってアイデアを考えている(ネットでは知っていることは探せるが知らないことを探せない)
  • 時間やコストの関係で読者ができないことを紙面で実現するのが基本方針(例えば新製品のベンチマークとか分解記事など)
  • 新製品が出たら吉田編集長が銀座AppleStoreに買いに行っている!
  • 分解は編集長がやってる!
  • 記事内容はAppleの事前承諾は取ってない(聞くとダメと言われるw)
  • でもたまにAppleに怒られることもあるw
  • 200ページのうち40ページくらいがボツになってる
  • アスキーメディアワークスでは月刊誌は4〜5人で作っている。MacPeopleは少し多めで10人くらい
  • コア読者層は35〜45歳だが、次は45-60歳。29歳以下は25%くらい
  • 校了前は徹夜も多い(最近は減ってきた&しないようにしているそうですが)
  • 念入りに校正しても、徹夜続きで朦朧として事故になることも(最新号でも・・・w)

電子書籍対応は・・・?

個人的に実は一番興味があったところがコレ。
以前に同じくR+さんの関係でMacPeopleをレビューした時も、電子書籍版を要望していたくらいで。

結論から言うと、かなり前向きだった!
というのも、MacPeopleの出版社であるアスキーメディアワークスは角川グループの一員なのだが、角川グループ自体が電子書籍に前向きに取り組んでいるからだとか。
(確かに津田さんの角川会長インタビューを読むと何となく分かる)
ハッキリと明言はされなかったが、iPad発売後1ヶ月くらいすればかなり電子書籍が出てくるんじゃないかと!一説では日本では全然出てこないんじゃないかと言われている電子書籍なだけに、これは嬉しいニュース。

MacPeopleで考えている電子書籍の取組みとしては・・・
  • 紙よりは安くしたい
  • 最初はまるごと一冊(号ごと)だが、いずれは特集の切り売り等も検討したい
  • 定期購読者にはデジタル版も提供することを検討したい
  • バックナンバーも早期に揃えたい
という感じのようだ。

近いうちに何か発表できるだろうということなので、楽しみにしておきたい。
発売されたら絶対買います!

で、iPadは?

話題のAlice in Wonderlandアプリもあった
重い重いと言われるが、僕は全然気にならなかった。
今回はAppleのイメージどおり膝に置いて使ってもみたが、大きさも重さもジャストって感じ。

それにしても5分はまさにアっという間。
アプリは10ページ分くらいタップリとインストールされていたのだが、触れたのは「カレンダー(標準)」「Evernote」「i文庫HD」「Alice in Wonderland」くらいかな。
ゲームなんかも一杯あったのだが全然できず。残念。

機能的にはまさに「大きいiPod Touch」なんだろうけど、アプリの印象が全然違う。
特にiPad用に作られたアプリはiPhoneアプリと全然違う印象。
標準カレンダーやEvernoteは感動的なまでに使い勝手が良かった。
電子書籍関連のアプリも色々あったのだが、試してみた中では「i文庫HD」の書籍は非常に読みやすそうだったし、「Alice in Wonderland」は新しい形態の絵本という感じで面白かった。子供に早く見せてやりたい。

とにかく少し使っただけでも「また俺の時間を大量に奪っていくオモチャが出たな」と思わせるに十分な感じだった。

ただ、良いことばかりでもない。
今回は10ページ分のアプリが入っていたのだが、あの大きさで10ページをフリックで移動しながらアプリを探すのはかなり大変(今回は人のだからということもあるだろうが)。
普段Androidを使ってる僕としては、iPhoneのHome画面は非常に使いづらいと常々思っているのだが、iPadを触ってその意をますます強くした。
確かに分かりやすくてとっつき安いんだけど、便利ではないよな、あのランチャーは。
せめて早いとこiPhoneOS4のフォルダ機能に対応して欲しいところ。

と、まとまりがないエントリですが、レポートは以上。
貴重な体験をさせてくれた吉田編集長とR+さんに感謝!
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