今日はソフトバンクとドコモから新サービスの発表があった。
ドコモの方は以前にもリリースがあったヤツだが、ソフトバンクの方は全くのノーマークでビックリ。
両方とも電子書籍サービス的な部分があるが、ドコモがCGMを活用したガラケー向けサービスなのに対し、ソフトバンクはiPad/iPhone/iPod Touch/ソフバンガラケーと幅広い端末に対応してきた。
何より驚いたのはソフトバンクの新サービス「ビューン」の内容だ。
iPadの場合、月額450円で31誌もの雑誌やテレビニュースの動画を見放題というもの。
たったの450円だ。これで各コンテンツの概ね7割を見られるというのは、かなり衝撃的。
当然ながら僕もさっそく利用したいと思っている。
今日発表して明日からサービス開始というのもApple的でインパクト大。
ドコモみたいに「やるよやるよー」と言いながら何ヶ月もかかるのとは大違い。
しかもこのサービス、Twitter等での情報によれば2年ほど前から準備されてきたという。
てっきりiPad発表から動き始めたものと思っていて、それにしては動きが早過ぎるなぁと感じていただけに、なるほどと納得。それにしても孫さんの先を見る目と、このバッチリなタイミングでサービスをリリースしてくる恐ろしさには感服。
ビューン:国内電子書籍サービスの決定版になるか?
iPadを買って楽しみにしていたものといえば、色々な電子書籍サービスを使ってみること。早速色々と使ってみたのだが・・・現段階ではどれも微妙。
そんな中で断トツの安さと品揃えの「ビューン」は頭5つくらいリードしてる印象。
iPadでサービスを展開しようとしていた出版社等は戦略を再考しないといけないレベルではないかと。
数ヶ月前に「日経の電子版4000円は高いだろう。1000円なら考えなくもない」なんて書いた記憶があるが、もうそんなの忘却の彼方に押しやっていいわなw
iPad電子書籍サービスのインプレッション
iPadでのビューン以外の電子書籍サービスがどんな感じか、この2日間程度で触ってみた印象を簡単に。AppleのiBooksは現時点では日本語の書籍が全然無い。
そもそもAndroidユーザーでもある僕としては、Appleのプラットフォームにロックインされるのはゴメンこうむりたいので、コレは基本的には使いたくない。
となると期待はクロスプラットフォームなKindleだが、これまた日本でのサービスはまだまだという感じ。
そもそもUSのAmazonアカウントを作らないとログインすらできない。
アプリ内で書籍を買えないのも困ったもの。Android版では買えるらしいので、これはたぶんというか間違い無くAppleのせいなんだけど。
ブラウザでKindleショップに飛んでみたが、やっぱり洋書ばかり。
価格も1000円とかがザラにある。これもしばらく待ちという感じか。
書籍というか雑誌になるが、電通とヤッパの「マガストア」にも期待していた。
実際、既にかなりの雑誌が購入可能になっている。
僕も試しに一冊買ってみたが、iTunesアカウントのアプリ内課金で買えるのは手軽で良い。
読んでみると、単純に雑誌を電子化しただけであり、かつダウンロードにやや時間がかかったりと必ずしも使い勝手は良くないが、普通に読むことはできるし、悪くないと感じた。
クロスプラットフォームなのも良い。DRMは評判が悪いようだが。
ただ、問題は価格面。雑誌一冊で数百円程度の価格。
ビューンの月額料金で一冊買えるかどうかというレベルであり、勝負にならない。
日本語ではないが、Timesのアプリも試してみた。
一冊600円という時点で、黙ってアプリを終了した。
マンガはとりあえずはMarvelのアプリを試してみた。
無料でダウンロードできるものもある。
普通にページ単位で読むモードと、コマ割りで読み進むモードがある。
コマ割りモードは動きが感じられて結構面白い読み方だなぁという印象。
有料版も一冊200~300円というレベルなので、割と手軽に買える感じ。
(ただアメコミそのものに興味が無いので買ってないが)
日本版のコミックマーケットアプリのリリースが楽しみだ。
iPhoneアプリでも無料配信されていた産経新聞はiPadで非常に実用的になった。
来月から月額1500円で提供予定のようだ。
ユーザーから評価はされるものの全然収益化しないという長い冬の時代を越えて、iPadで遂にマネタイズの道が開けたかと思いきや。僕も課金しようと思っていたその矢先に。ビューン登場w
ビューンでは毎日新聞のコンテンツも提供される。
「新聞コンテンツが450円で見られるなら産経に1500円は無いな」。以上w
ということで、現時点どれも「品揃え」「価格」「利便性」のいずれかに問題があるという印象。
ビューンは少なくとも「品揃え」「価格」の点でかなりDisruptiveなサービスになりそうで楽しみだ。
これを機に色々なコンテンツが低価格で手に入るようになってiPadライフが楽しくなればなぁ。
ビューンの難点は?
なお、ビューンに難点があるとすると、クロスプラットフォームじゃない感じであること。というか、Androidをサポートしなさそうなこと。
コレがもしAndroidに来たら、圧倒的にコンテンツ不足のAndroid周りが一気に楽しくなるのに。
それともう一つは、コンテンツが自分のモノになるワケじゃないこと(たぶんだけど)。
いわゆるNapster型のサービスだろうと思われるので、課金をやめると何も見られなくなりそう。
まぁ読み返すということはほぼ無いと思われる情報達なので、これは個人的には問題無い。
最後はアプリの使い勝手。
これは明日試してみるまで分からないが、上の動画を見る限りはなんか凄く「マガストア」っぽい。
要するにちょっとロード時間が気になる感じっぽい。
でも月額450円だと文句言えないなぁw
[note]6/1 追記
ということでビューンのアプリがAppStoreに出てたので早速軽く試してみたが。
うーん、全体的に遅すぎ・重すぎ。結構残念な感じかも。
使い勝手は評判のあまり良くない「マガストア」を更に悪くした感じ。
価格が安いので文句は言えないが、このままだと「安かろう悪かろう」なサービスになってしまうかもしれないのは少し残念。
使い勝手を敢えて悪くして、リアル雑誌を買ってもらおうなどという魂胆でないことを祈る。
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[note]6/1 更に追記
アクセス集中で使いづらい状態のため、サーバー増強等の改修を行うということになり、サービスを一時中断することになったとのこと。
まさにビューンと始まってビューンといなくなったw
このような状況下では「破壊的にスゴイ」というこのエントリは少々大げさにすぎた感もあるが、サービスを改善しようという意志はあるようだし、即日対応に入ったあたりは十分評価できると思う。
サクサク読めるようになればやっぱり素敵サービスに間違い無いので、引続き期待して待っていようと思う。
あと、読めるコンテンツがかなり制限されているとの声もあるようだが、僕が試した中ではそれほど問題を感じなかった。雑誌によりけりという面も大きいようだ。毎日のダイジェスト版なんて却って読みやすくて良いと思ったがなぁ。
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エブリスタ:コレはなんだ?
一方でガラケーユーザーをメインターゲットにしたドコモのエブリスタ。
DeNAと組んで、UGCコンテンツ中心に盛り上げていこうという趣旨のようだが、サービス開始当初は客寄せ用の有名人コンテンツもかなり用意される模様。
なお、一応PCでも使えるらしいがレイアウトがガラケー向けのままなので激しくヤル気が感じられない。
個人的には、そもそもガラケー向けというだけで全く使う気が起きない。
サービスのコンセプトも「今更UGCですか?」って感じがしてしまう。
ケータイ小説の書籍化みたいなのがバンバン出てくることを期待しているのだろうか。
ただ、いくらビューンがスゴイと言ってもiPhoneとかiPadで電子書籍サービスに課金する人なんて現段階では数万人から多くても十数万人じゃないかと思われる一方で、ガラケーユーザーの層は厚い。
BeeTV並のプロモーションがかかれば、いずれは課金ユーザー100万人とかもあるのかも。
そして今や飛ぶ鳥を落とす勢いのDeNAが関わっているというのも馬鹿にできない。
個人的に興味は無いけど、フタを開けて見ればエブリスタの方が圧倒的に収益性が高かったりする可能性もあり得るのかも。ということで、遠くから生暖かくウォッチしてみようと思っている。
何にせよ、モバイル環境向けのコンテンツサービスがどんどん出てきてくれると僕的には嬉しい限り。
というか、もう消費する時間が全然足りないんですけどー。
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