Gadgetからクルマとお家に興味が移行中

「厚労省はひどい役所」にスゲー同意

このブログではあまり政治等の話題を載せるつもりも無かったのだが、この件については個人的にあまりにも同意してしまったので、独り言エントリー。
言うまでもなく、薬事法改正に伴う省令改正での「医薬品ネット販売規制」についてである。
個人的には医薬品をネットで買ったことは無いので、この件がこのまま施行されても特に困るワケではない。
しかし、過去に仕事で厚労省と数十回に渡り折衝をした経験から、楽天・三木谷社長の「厚生労働省がいかにひどい役所か分かった」という発言には心からシンパシーを感じてしまった。


三木谷社長が100万を超えるネット署名を集めるなど、ネット販売規制への反対意見の盛り上がりを受け、制度改正の円滑な施行を目的に舛添大臣肝いりの検討会が7回に渡って開催されたものの、結局それは国民の批判を回避するためのポーズだけで、検討会での議論とは無関係に官僚が結果ありきの省令案を勝手に書いて勝手にパブコメにかけて、そのパブコメの結果も華麗にスルーして6/1から施行されることになってしまった。
その辺のニュースについては、コチラなど。
一般的な感覚からは、今回の厚労省ロジックは完全に破綻しているようにしか見えない。
(自分の意見が「一般的」という思い上がりですみませんが)
医薬品販売の際は対面での説明が何より重要とか言うが、そもそもドラッグストアでそうした説明を受けたことなんか一度も無いし、それならそれでなぜ「置き薬」はOKってことになるのか。
副作用などの薬害が実際に起こっているという状況は理解するが、基本的にはそんなもんは自己責任だし、それに配慮するあまり、多数の人間の利便性を損ねて良いのか。
(その理屈を言うなら、害が明らかなタバコももっと手に入りにくくしろよと、喫煙者の自分ですら思ってしまう)
経過措置で離島のみ2年間は例外としているのも、「離島以外なら地続きだから、体が不自由だろうが何だろうがクルマ等の何らかの移動手段で薬局に行けるでしょ」とか言う理由。
弱者に優しいのか厳しいのかワケが分からん。
こんな調子で、ロジックに納得できないから、必然的に「既得権益を守りたいだけなんでしょ」ってことになる。
何が既得権益なのかよく理解していないが、常に厚労省の顔色を伺いながら素直に規制に従ってくれている業界への配慮ということか。
何か美味いものでも定期的に食わせて貰ってるのか。
天下りを一杯受け入れてくれているということか。
今回の検討会についての厚労省のHPを見ても、三木谷氏が激高したと伝えられる最近の議事録は全くアップされておらず(他の検討会等については着々と議事録がアップされているので違和感ありまくり)、国民的なオープンな議論などする気がないことは明白。
パブコメの結果も、9824件の意見のうち、賛成は42件で、残りは何らかの形で反対だったという。
パブコメが賛否投票ではないということで、反対意見の多さが必ずしも考慮要素にならないということはあるにしても、総務省が説明するように、意見は考慮して省令なりを策定せんといかんのちゃうかと。
もう最初から策定したものを変える気がないじゃんと。
だいたい、法律で大枠のみを定めておいて、実際の判断の基準になる政省令とか通達で役人が妙に細かい規制を入れてくるというのは厚労省の十八番で、自分が担当していた案件もまさにその省令がキーになっていたりした。
ネットで検索しても、レセプトのオンライン義務化の関係とか、NTTの企業年金の関係などでこうした「法の委任の範囲の逸脱」という話題が出てくる。
まさに官僚の越権行為である。
こうした手続について問題だと考えてくれる国会議員もいるようで、自民党の世耕議員等が党の枠を超えて疑義を呈示したりもしている。
でも実際にはこのまま行っちゃうんだろうなぁ。
既にネット販売を実施している2社ほどが行政訴訟に踏み切るようなことを言っており、楽天も訴訟を検討するとのことだが、勝てる見込みはあまり無いだろう。
「省令が法の委任の範囲を超えており違憲」とか、そういった主張が認められた事ってあるのだろうか。認められなかった例は色々知ってるけど。
ネット業者が訴訟しても、「お前らの商売が打撃を受けるからで、弱者の視点というのは後付けだろ」と受け止められがちだし、実際にそういう面も否定し難かったりするはずだから。
でも、実際の商売には大した影響がないのに立ち上がった三木谷社長はすごく尊敬します。
ネットを使った世論の形成の仕方とか、議員を巻き込んだりとか、とても上手く立ち回っておられたのではないかと。
ウチの会社もこういう手法ができていれば、あるいは・・・と思ったりも。いや、ある程度はやったんですが。
今回の件で、ヒステリックに叫ぶ厚労省担当官とか、昔の記憶が蘇って、なんかすごく不快だった。
役人全般がというより、厚労省が特に酷い。
他の官庁折衝も経験あるが、非常に紳士的だったよ。
年金とか健保とか、国民的な関心事にも全く有効な回答ができてないし、ホント「ひどい役所」ですよ。
 

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。