HT-03AからXperiaに乗り換えて2週間が経った。
当初の若干の違和感も概ね無くなり、手に馴染んできたので、現時点の感想でも。
また長くなるといけないので結論から書くと、かなり満足してる。
ただ、その満足の内容は、ガラケーからガラケーに機種変してた頃の満足感と同じだ。
というのは、僕の場合、AndroidからAndroidへの機種変だからだ。
何が変わって、何が満足かというと、「デザインが(飛躍的に)良くなった!」「端末SPECが上がったので快適になった!」「カメラの機能が良くなった!」etc・・・というあたりか。
で、コレってよく考えると、ガラケー使ってた頃に、新しくてデザインの良い最新ガラケーに買替えた時の感想と同じなワケで。
要するに、とっても満足してるんだけど、衝撃的な変化は無いかなぁと。
(それはむしろガラケーからHT-03Aに変えた時の方が遙かに感じた)
結局、普段Xperiaを使ってやってることはHT-03Aでやってたこととほぼ同じだし。
もちろん、各々が比較しようの無いほど快適にはなっているのだが。
ボタンの数が減ったとか、トラックボールが無いとか、タッチ感覚がちょっと違うとか、使い始めには当然色々な違和感があったのだが、それも「慣れの問題」で、ガラケーで機種変した時と同じ種類のものだ。
手に馴染んでくればたいした問題ではない。
ということで、なんか淡々とした結論になっちゃったんだけど、まぁそんなもんかなと。
そもそも1月にブロガーイベントで一度触ってもいるし(1stインプレ)、事前の情報も多すぎるほどだったので、実機を手にしても何の戸惑いも驚きも無かったという。
まさに思った通りのものだったねと。
(もうちょっと事前の情報収集を自主規制すべきだったか)
まぁでも同じプラットフォームで端末だけ変えるってのは所詮こんなもんだろう。
いや、ホントに満足してるんだけどね。絶対HT-03Aに戻れないし。
特にモノとしてのXperiaの存在には、HT-03Aとは比較できないレベルの愛情を感じてる。
HT-03Aなんてジャケットの類を付けようとも思わなかったし、指紋で汚れててもお構いなしだったのが、ジャケットは付けるわ指紋は常に気になるわという状況で(むしろ手間が増えたw)。
しかし、Xperiaで初めてAndroidに触れた人は、僕と違ってかなり楽しい体験をしてるんだろうな。
あるいはスゴく戸惑っているんだろうな。
それはなんか羨ましい気もしてたり。
とまぁ、僕個人の感想としては淡々と以上終わり。
Xperiaデビューの人には参考にならないレビューで恐縮です。
ということで、以下はいつもどおり、まとまりのない長文です。
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「スピード」と「画面解像度」の重要性
Xperiaにして一番感じたのが、やっぱりスピードと画面解像度って大事だなということ。画面に表示される情報量が違うし、情報が表示されるスピードも違う。
これだけで、やっていることはHT-03Aと同じでも、情報処理のスピードが全然違ってくる。
例えばNewsRobsでGoogle Readerを読むのも、Tuboroidで2chを見るのも、SeesmicでTwitterのTLを追いかけるのも、基本的には「斜め読み」でやっているのだが、画面に表示される情報が多いと、この「斜め読み」がメチャクチャやりやすいし早い。
サっと斜め読みして、次の画面にササっと切替えられるので、スピード感が段違いだ。
結果として単位時間あたりにインプットできる情報が増えたことを実感している。
そして各個別のアプリよりも、最も大きくそれを実感できるのがブラウザ。
HT-03Aのブラウザは重くて遅くて、できればあまり開きたくない代物だった。
でもXperiaだと何の躊躇もなくブラウザを開ける。
この心理的な開放感はかなり大きい。
そして、ブラウザで表示される情報量の違いも明確だ。
この点についてはiPhoneに対しても明確なアドバンテージと感じる。
iPhoneと比較してよく指摘されている点に、「Xperiaのブラウザはマルチタッチができないし、ダブルタップでブラウザ表示の最適化ができないので使いにくい」というのがあるが、この指摘には同意しかねる。
だって、別に表示を最適化とかしなくてもそのまま読めるんだもん。
ま、やるとしてもせいぜい「縮小」ボタンを一回タップするか、端末を横にする程度。
片手ですむ話。マルチタッチとかいらないね。
確かに僕がiPod TouchのSafariでブラウズをする時はダブルタップでの表示最適化は必須だったので、iPhoneユーザーがそこに違和感を持つのも分かる。
でもその操作は、解像度が高ければ本来必要ないものだったのだなぁと。
(それに、あまり指摘が無いようなので書いておくと、そもそもAndroidのブラウザは画面の大きさに対してテキスト流し込みを最適化して表示してくれる。つまり、最初からiPhoneで言う「ダブルタップされている状態」で表示されるのだ)
このブラウザの性能というのは、かなりの強みだと思う。
というのも、そもそもスマートフォンの一番の価値ってフルブラウザ使い放題というところにあると思っているので。ブラウザさえ快適に動けば、いずれはアプリもWEBアプリだけでいいじゃんって時代になるのだろうし、そうすりゃスマートフォンの価値は「多機能で安定したブラウザが快適に動く」ということに収斂していくんじゃないかと思うので。
当然そこに行くにはいくつもの段階があるのだとは思うし、Xperiaが現役でいられる時代はまだネイティブアプリが主流なのだろうけど。
繰り返しになるが、「スピード(ドコモ回線のスピードということも含む)」と「画面解像度」の向上がもたらした情報インプットの増大と、ブラウザ性能の向上は、Xperiaのスマートフォンとしての価値に大きく貢献していると思った次第。
ま、これは次期iPhoneとか今後のAndroidでも同じになってくるのかもしれないので、Xperiaの優位はそんなに長くは続かないのかもしれないけど。
パっと見てカッコ良いことの重要性
Xperiaの一番の強みはその美しい外観デザインだろう(私見)。実はそのためにハードキーが少なかったり、充電に使うコネクタにカバーがされてたり等と実用性が犠牲にされているのだが、そうしてまでもデザイン性を重視してきたXperiaのアプローチは結果として成功してるんじゃないかと思う。
だって、このXperiaに多くの人が関心を寄せている主要な原因って、やっぱり単純に「カッコ良い」と思う人が多いからじゃないかと。
ケータイをデザインで決める人って、僕を含めて多いと思うので。
そういう意味では、TimescapeとかMediascapeみたいなソフト面でのキャッチーな「パッと見のカッコ良さ」も貢献してるのかな。CMなんかはその辺をキッチリ訴求していて上手いなぁと思う。
(カッコ良さ以外のメッセージがほとんど無いもんなぁw)
でも結果としてデザイン・ドリブンでも、「売れる(あるいは売れるだろうと見込まれる)」ということは重要で、それが故にXperiaに合わせて非常に多くの質の高いアプリが登場してきたということは見逃せない。
結果として本当に売れるのかどうかを判断するのは時期尚早だが(というか個人的にはそこまで売れない気もするがw)、Xperiaの登場が日本のAndroidマーケットにもたらした恩恵は非常に大きいなぁと思った次第。
で、それもこれも、Xperiaがカッコ良かったからなんじゃね?と。
iPhoneだって、「カッコ良い」ということで買った人、結構いるだろうし。
メディアプレーヤーとして良くなった
HT-03Aはメディアプレーヤーとして全くダメダメだった。アプリも貧弱だし、再生能力も対応フォーマットも貧弱だった。
おまけにイヤホン端子も3.5mm対応じゃなかった。
それでいてBluetoothで音楽を聴こうとすると、性能が低すぎて音がブツ切れになってた。
対してXperiaはメディアプレーヤーとして相当良くなったと思う。
Mediascapeも、余計なアニメーションとかが多少ウザったく感じることもあるが、メディアプレーヤーアプリとしてAndroid標準のものを遙かに上回るデキだ。
対応フォーマットも多く、MP3/MP4は当然として、WMVにも対応してるとか、H.264のメインプロファイルを再生できるとか、かなり頑張っている感じ。
少なくともiPhone用に作ったフォーマットであれば、DRMが無ければ全部聞ける。
(MacのHandbrakeでAppleTV用に作った動画が見れなかったのは少しだけ残念だが)
音質が悪いという指摘も散見されるが、僕はそんなに悪くないと思う。
ただ、付属のイヤホンはクソだ。音がボワンボワンして話にならない。
一応それなりのイヤホンであるSHUREのSE530で聞いてる限り、iPhoneとそんなに違いは感じない。
まぁiPhoneの方が「音の広がり感」は少しだけ上かな。でもXperiaも十分聞ける。
ただ、端末への転送等を含めたトータルのソリューションで考えればiPhoneに及ばないのは事実。特にiTunesで資産管理している人にはやっぱりiPhoneがベストソリューションなのは間違いない。
まぁ、でもXperiaへの音楽転送もiTunesからドラッグ&ドロップするだけだし、そんなに手間が違うというほどでもなく。そもそもクラウドの時代に、特定のPCに繋げて転送するという形態がこの先2年続くのかというところも分からないわけで。
ってなワケで、僕はiPod Touchで音楽を聴くのをやめた。
ちなみにソニエリのワイヤレスヘッドセット HBH-DS205で、音飛びもなく快適に聞けている。
端末単体ではエンタメできない
良いことばかり書いてきたけど、ここからは少し悪いことも。今回のXperiaに向けてソニエリは「コミュニケーション・エンターテイメント」云々の世界観をもとに、UXプラットフォームだのTimescapeだのMediascapeだのといった独自UIを作り込んでいる。
しかし、正直なところ、Xperiaからはそうした独自の世界観というほどのものは感じないし、エンターテイメント性も別にたいして高くないと思う。
Timescapeなんかは完全にコンセプト倒れだと思ってるし(全然使ってない)、そもそも「エンターテイメント」ってのを履き違えてるんじゃないかとすら思う。
単にAndroidの独自UIということなら、HTC Senseの方がセンスが良くてカッコ良いし、楽しいし、実用性もあるんじゃないか?。
そもそもXperiaという端末単体で世界観とかエンターテイメントを作ろうとしているのが間違いなのでは。
エンタメという意味で遙かに先を行っているiPhoneを考えても、端末単体ではなくて、音楽とかアプリとか動画のストアというサービスが統合されてるからこそエンタメが実現できているんじゃないかと。
(もちろん端末単体の「触って楽しい」というエンタメ性でも相当先を行ってる)
AppleがiTunesストアを中心に構成しているサービス群とか、MicrosoftがWM7でやろうとしているXboxとも連動した一連のサービス群とか、そういうトータルの勝負になってきている中で、Xperiaが端末だけで太刀打ちできるワケが無い。
そこはAndroidという複数メーカーが関わるプラットフォームの課題なのかもしれないが、少なくともソニエリはSONYグループとしての一連のサービス群を統合し、それを端末から利用できるようにすることも可能なメーカーのハズ。それが現時点のXperiaでは全く実現できていないのは残念。
なので、僕としてはXperiaの将来のアップデートに対しては、AndroidOSのアップデートというよりは、そうしたSONYグループトータルとしての新たな提案に期待している。
(もちろんAndroidOSとしてもアップデートしては欲しいけど、実はユーザーから見たらたいした違いは無いよねとも思ってる)
特にPlayStationプラットフォームと何らかの連携があることには期待。
torneで録画したものを転送可能にするとか、ゲームの実績解除を連動させるとか、PlayStationStoreで売ってる動画やコミックを買えるようにするとか、要するにそういうことだ。
それをやらないと、エンタメを求める人にはiPhoneオススメという構図は変えられないと思う。
でも人にオススメしてもいいかも
HT-03Aを使っていた時は、「iPhone」「ガラケー」それぞれの明確な利点に対して、HT-03Aとしての「一般的な」利点を自分の中で確固としたものにできておらず、かつ利点を感じることはHT-03AそのものというよりはAndroidというプラットフォームに依拠する部分ばかりだった。そしてHT-03AはAndroidとしての力をフルに発揮できてるとは言えない端末だった。
結果として「僕としては面白いと思うんだけど、人にオススメはできない。というかiPhoneかガラケー選んだ方がいいよ」という考えだった。
この辺は過去のHT-03Aレビューでも書いているところだ。
それが、Xperiaという端末に変えたことで、ちょっと変化した。
要するに「コレなら人にオススメしてもいいんじゃね?」という気になっている。
まぁ色々と「ただし書き」はやっぱり必要になっちゃうけど。
(ただし書きについては、このエントリの後半に書いたつもり)
それは多分、実際に多くの人が手にしたあるいは手にしたいと思っているという事実、そしてTwitterなどで「面白い!」「楽しい!」という前向きな声がとても多いという事実を目の当たりにしたからなのだと思う。
Androidって、iPhoneに比べると相当とっつきにくいだろうなぁという感覚があったのだが、XperiaでAndroidデビューした人達の声を見ていると、結局そこまで難しいものでもないということが改めて分かったし、前向きに使おうという人にはちゃんと使えて、ちゃんと答えてくれるということが分かったのだ。
(まぁそういう人達の声ってのが、そもそもTwitterとかブログというツールを使いこなせるという一群の声でしかなく、ラウド・マイノリティである可能性は一応考慮する必要はあるかもしれないが)
当然の話なのだが、iPhoneより良いとこもあれば悪いとこもあるし、ガラケーより良いとこもあれば悪いとこもある。どっちが良いかは人によるし、一般的な結論は永遠に出ない。
個別機能の意図的な取り上げ方次第で、iPhone賛歌も歌えるし、Xperia賛歌も歌える。
プラットフォームが変われば使い勝手も変わる。当たり前のことだ。
でも、Xperiaが欲しい!と思った人には、前向きに使ってやればちゃんと楽しめるケータイですよ!と言える気がしている。
「買いたい時が買い替えどき~」(by 徳井)で行っちゃってもいいんじゃね?と。
・・・まぁ「買いたい時」を我慢できる人は、次期iPhoneとか次世代のAndroidを待つのがベターだよねっていうのは言わずもがなだけど。
あと、Xperia発売でゴミのような値段で売られてるHT-03Aに興味を持つ人もいるかもしれないが、それに対しては「相当茨の道ですよ」と言っておく(HT-03AならではのDeepな楽しみもあるのは確かだけどw)
ChromeOSの発想というか、Googleイズムですね。
僕も基本的にはこの考えに賛成で、ブラウザがどんどんとプラットフォーム化していけばいいと思っています。
現にいくつかのアプリとかは「実はインストールしなくてもページにブックマークを貼っておくだけで事足りるんじゃ・・・」と思うときも。
僕は逆に「オレってかっこいいぜ」感を全面に出しすぎていて恥ずかし…。(個人的に)
オシャレ感はアップルが一枚も二枚も上手だなぁと思う次第です。
あと、スペック以上に快適に感じさせる作りという面も。
実際問題ハードスペック的にはiPhone3GSよりも全然上なxperiaですが、使ってみるとiPhoneの方がスムーズに「感じる」んですね。
最もココはソニエリ云々ではなく、Androidそのものの話になるのでGoogle先生に頑張ってもらわねばなりませんね。Google先生は良くも悪くも実用本位なシンプル派(僕はキライじゃないですけど)なので。。
ここは激しく同意。HT-03Aでは成しえなかったところですね。
そういう意味では「素のアンドロイドです~」でなく、「ソニエリデザインだぜー」が功を奏したと言わざるをえないですね。
これに触発されてもっとAndroid端末が増えてほしいです。(実際パラパラと出始めてますが)
自分はSONY嫌い、Mac好きな人なのでかなり変なバイアスかかった意見ですが、ぼやきつつも結局xperia買ってそれなりに満足出来ているので、製品としては出来のいいモノだと思います。
>乳牛さん
コメントありがとうございます!
僕もApple好きですよ。iPhoneを持ってないApple信者です。
(ただ、SONY嫌いでは無いですが)
Mac好きの乳牛さんがiPhoneではなく敢えてXperiaにした理由が気になります・・
「ブラウザ」があればイイというのは、ご指摘のとおりGoogle先生の受け売りです。
まぁまだまだ遠い将来の話かもしれませんね。
オシャレ感でAppleに遠く及ばないというのも御意です。
CMが上手いなぁと書いたのは、「カッコいいなぁ」と僕自身が感じたというよりは、「カッコいいなぁ」と感じる人が多そうだから上手いなぁと思ったからです。
最初にCMを見た時は僕自身も「なんじゃこりゃ!」って思いましたw
まぁ、でもXperia登場でAndroidの認知度もすごく上がったし、職場でも注目されるほど周りの関心が高くなったのを感じます。やっぱり「スマートフォン」「Android」を盛り上げるための大きな役割は果たしつつありますよね。
コメントどうもです。
僕がxperiaにした理由は単純にAndroid端末が欲しかったからです。
なのでDesireには激しく惹かれましたが、家族がdocomoユーザーだったのと、もう待てんという心境から素直にxperiaにしました。(HT-03Aのときはホットモック触って「んー」という感じで、2年縛りの解約金を払ってまで…ということで見送っちゃいました)
なのでソニエリイズムという点では若干冷めたユーザーですw
ま、でも買って後悔はしてないですよ。
欠点はいろいろあれど、モノとしてはよく出来ていると思います。