ICSのイケてる度を見るため比較してみた

iOS5が世に出て、IceCream Sandwitch（ICS）も発表されたというのに、何の関連エントリも書けていないという、相変わらずスピード感のないブログだけど、重い腰を上げてちょっと書いてみる。

ICSに個人的に期待していたのは、新機能というよりも、iOSに比べるとかなり「イケてない」Androidの見た目がどれくらい改善されるかというところ。
WebOSのチームがUIを手がけているという噂もあったりして、今度こそは「イケてる」感じになるんじゃないかと。

で、早速ICSのエミュレーターで少し触ってみたのだけど、なかなかイイ感じではないかと！
まぁHoneycombのUIを引き継いだ感じではあるので、実際のところそれほど新鮮ではなかったりするのだが、スマートフォンOSとしてのAndroidという意味ではGingerbread（GB）の次になるワケで、その進化度はなかなかのもの。

ということで、ICS（4.0）とGB（2.3）とDonut（1.6）、そしてiOS5の画面を並べて比較してみた。
「だから何」ってことになりそうな気もするけど、Cupcake（1.5）から使ってきたAndroidユーザーとしては2年の間の進化が見て取れてなかなか感慨深いものになったと思う。

UIパーツの比較

ということで、まずはボタン等のUIパーツがどんな感じか並べてみた。
こうやって見ると、見た目はそこそこ変わったけど、基本的な使い勝手はほとんど変わってないんだなぁと。

スライダーとかOK／キャンセルボタン

GBまではオレンジベースのUIだったのが、ICSでは基本的にブルーで統一されている。
青好きとしては個人的にこっちの方が好き。
iOSも青だけど、ICSの方がすごく無機質感がある。
これに限らずICSのUIは悪く言えば冷たい感じで統一されている。良く言えばクールなのかな。

また「OK」「キャンセル」ボタンもICSで大きく変わり、ダイアログの下一杯を使う形に。
これで一体感が出てデザイン的には良くなったなぁと思う。
一方で、「OK」と「キャンセル」の位置が今までと逆になったのは何故なのか理解に苦しむ。
しばらく間違えてしまいそうな予感。

iOSはそもそも設定項目においてAndroidみたいなダイアログが出ない作り。
設定したら左上のボタンで戻るという形になる。
分かりやすいけどAndroidに比べると一手間多い感じはある。

項目の選択

こっちは複数の項目を選ぶ場合のUIとなる。
AndroidもiOSもチェックマークを付けていくという点でほとんど同じ。
ICSでも基本は変わっていないけど、項目の高さが小さくなったことで収まりが良くなったのは良いところ。



こっちは項目を1つだけ選ぶ場合のUI。
Android勢はチェックマークではなく丸ポチ方式になる。
ICSでも変わらないが、複数選択の時と同様に収まりは良くなっている、
iOSは複数の場合と変わらずチェックマーク。

項目のON/OFFをするUI

機能をON/OFFするためのUI。
iOSはオシャレなスライダーなのに対し、Android勢は単なるチェック。
これはICSになっても変わらず。ここはiOSの方が良い感じだなぁ。

なおICSになって、スライダーみたいなボタンのアイコンが表示される場合がある。
これを押すことで更に詳細の設定を行えるよというメッセージを伝えるものになっている。

時刻の設定をするUI

時間を設定するUIは個人的にはAndroidで大きな不満があった部分。
iOSのドラムロール式のUIが秀逸すぎて、無機質すぎるAndroidのUIは好きになれなかった。

しかし、DonutからGBまでほとんど進化のなかったこのUIも、ICSで少し改良された。
プラスマイナスのボタンを押さなくてもフリックで数字を進めたり戻したりできるようになった。
もちろん見た目もそれにともない大きく改善された。
相変わらずiOSの方がイケてるのは間違いないが、少し近づくことができたのではないかなぁと。

タブ切り替えのUI

ダイアラーの比較というより、タブのUIの比較。
なお僕の持ってるiOSはiPod touchでダイアラーが無いので「050 Plus」を代わりに使っている。

iOSとAndroidで大きく違うのは「上か下か」というところなのかな。
Androidはデカい端末が多いので、下にあった方が操作はしやすい気もするのだが。
まぁメニューを出せば下で切り替えたりすることもできるので大きな問題ではないか。

Donutでは笑っちゃうほどダサかったタブだけど、OSバージョンアップの度に少しずつ改善され、ICSではかなりマトモな感じになったのは嬉しいところ。

UI部品以外の部分

UIの部品は他にもあるのかもしれないけど、僕は開発者でもなんでもないただのユーザーなので、上のくらいしか思いつかなかった。以下ではその他の部分の比較をしてみたい。

ロック画面

まずはロック画面。
こうして並べてみるとDonutは本当にダサかったなぁw
HT-03Aなんか「NTT DoCoMo」という文字が二段で表示されててそれはそれはダサかったのを思い出す。
そう考えるとICSなんかは随分洗練されたイメージだ。

なお、ICSからロック画面から直でカメラを起動できるようになったのは嬉しい改良だ。
また、上の画面では出ていないけど音楽再生中はコントロールもロック画面に出るようになったらしい。
音楽についてはiOSでは初代iPod touchの頃からできてたことなので、まさに待望の改良だろう。

もっとも、Androidの場合は「WidgetLocker」などのアプリを使えば、今までもロック画面をいくらでもカスタマイズできていたのだけど、それを言い始めるとキリが無いので、あくまで標準の状態での比較にとどめたい。

iOSもロック画面から直でカメラを起動できるようになったり、Notificationを表示できるようになるなど、大きく進化している。最新OSではロック画面も単にロックを解除するだけでなく多様な機能を持つようになった感じだ。

更に、エミュレーターでは試せなかったが、ICS搭載のGalaxy Nexusでは顔認識でロックを解除するという未来的な機能も追加されている。どの程度使い物になるのか、是非実機で試してみたいところだ。

ホーム画面

これもAndroidの多種多様なカスタマイズの幅を考えると、比べることにどれほどの意味があるのか極めて疑問だったりするのだが、あくまで標準の素の状態ということでの比較。
（ただiOSの方は少し自分仕様にしてしまっているが）

iOSのホームはアプリドロワーも兼ねているしWidgetも置けないし、カスタマイズの幅が極めて小さいなどAndroidとは大きな違いがあるものの、うちの3歳児でも使える使いやすさがあるのも確か。
子供と老人にはiOSみたいなホーム画面の方が良いのかもなぁと。
僕は大人なのでそれじゃ満足できないけど。

で、Androidの方のホーム画面については素の状態なので実はあまり代わり映えしない。
いや、さすがに変な取っ手付きのDonutと比べれば随分洗練はされたかw
でもICSのドック上の白い横棒とドロワーのボタンは個人的にはダサいと思う。
まぁ気に入らなけりゃいくらでも変えれば良いのだけれど。

あ、アプリ同士を重ねてフォルダを作れるようになった（iOSをパクった）のは便利かも。
まぁコレも例えばXperiaのホームなんかでは既に実現していたことではあるが。

アプリドロワー

アプリドロワーはAndroidだけの機能なのでiOSは一回休み。
ドロワーだけ比較するとそれほど大きく変わったようには見えなかったり。
さすがにDonutのダサダサに比べると洗練はされたけど。
ドロワーは実際の動きを見てみないと洗練度合いが分かりにくいかもしれないなぁ。

ICSで上にWidgetのタブが加わり、Widgetの貼付けをここからできるようになったのは大きな改良だろう。
あと、ICSでは上下スクロールではなく左右のスクロール（iOSっぽい感じ）に変更されている。
まぁコレもお好みで今まででもできてたことなので特に大きな変化でもないか。

マルチタスク

次はマルチタスクの切替画面。
Androidではホーム長押しで出てくる画面である。
使い勝手的にICSでの一番大きな進化だと個人的に思っている部分でもある。

今までは単に最近起動したアプリのアイコンが表示されていただけだったけども、ICSではスクリーンショット付きで切り替えるアプリを選択できるだけでなく、右にフリックすることでアプリの終了も行えるようになった。
アプリの明示的な終了がなかなかできないAndroidではこれはかなり大きな改良だと思う。

一方のiOSはお馴染みのホームボタン2回クリックで画面下に起動中アプリを表示させての切り替え。
シンプルながら非常に使いやすい機能だと思う。
ただ、ウチのヨメも子供もこれを使ってるのを見たことが無いので、上級者向けなのかなぁ。
難点をあげるとするとタスクキルが面倒だということくらいか。
タスクキルは長押しが絡んだりして必ずしも分かりやすくないし。
（嫁子供もこのタスクキルを知らないので、いつも大量に起動したままになってる）

ノティフィケーション

次は通知画面。
これに関してはiOS5での大きな進化が特筆モノだろう。
今までの貧弱な通知機能が大幅に改善され、Androidと遜色なくなった。
個人的にはコレだけでAndroidからiOSに乗り換えてもいいなとちょっと思ってしまったくらいだ。

ただ、通知画面の表示のさせ方がAndroidと全く同じやり方だったのはかなり意外だった。
あの上からビロビローンってのがAndroidのダサくて分かりにくいUIの代表みたいなもんだったので、Appleならもっと洗練されたやり方を考えるだろうと思ってただけに。

一方のAndroid。
上のスクリーンショットでは何も具体的な通知が無いのでちょっと比較にはあまり相応しくないのだけど。
基本的には変わってない。
ただ、ICSでは設定画面へのショートカットボタンが追加になって少しだけ便利になった。
今やどのメーカーも付けているトグルスイッチが標準で付かなかったのは個人的に残念なところ。

設定画面

設定画面のトップページを比較。
Donutのぶっきらぼうな画面に比べればICSはだいぶマシになった。
iOSに比べるとパっと見はまだまだぶっきらぼうだけど。

でも個人的にiOSの設定画面は使いにくい。何がどこにあるのかちっとも分からない。
まぁ半分以上は慣れの問題なのかもしれないけど。
更に個別のアプリの設定画面もここにあったり個別アプリにあったりと錯綜していて分かりにくい。
Androidなら個別アプリの設定は全て個別アプリのとこなので分かりやすいのだが。
まぁ好みの問題なんですかねぇ。

ブラウザの比較

最後にブラウザの比較。
と言ってもスクリーンショットでのパっと見はほとんど変わらないか。
ICSではLabs機能で「クイックコントロール」ってのが追加され、これでタブなんかの切り替えが簡単にできるようになった（上のスクショで出ている扇形のがソレ）。

ICSでは他にもオフラインで見られるようにページを保存したり、PC用のページを強制的に表示させたりする機能が付いた。
地味な変更ではメニューボタンを一度押しただけで「共有」ができるようになったのが嬉しい。
今まではメニューを押してから2回タップしなきゃいけなかったので。

iOSではリーディングリストとかTwitterにすぐ共有できる機能なんかが新しく追加になった。
TwitterがOSレベルでビルトインされてるのは凄く便利だと思うけど、例えばページタイトルを取得してくれなかったりなど、実際の使い勝手ではAndroidのIntentの方が個人的には好きかなぁ。



ブックマーク画面の比較。
iOSは何と言ってもSafariと同期してくれるのとフォルダ管理が可能なのが便利だった。
Androidは同期とフォルダ管理が課題だったが、ICSでChromeブクマとの同期やフォルダ管理が遂に追加された。
これはMacでもChromeを使ってる自分としては非常に嬉しい変更だ。
ブクマ画面の見た目もICSではグっと良くなっている。
更にブクマはWidgetもあるので、この辺の使い勝手はiOSを大きく上回るようになったのでは。

まとめ

ちょっと無機質な感じだけども、ICSでAndroidもなかなかイケてる見た目になったのでは。
見た目以外に機能を考えれば、もうICSしか見えないです個人的には。

iOS5を触った時には、Mac使いとしていい加減素直にAndroidからiOSに移行してもいいかなとちょっと思ってたけど、今はもうGalaxy Nexus欲しくて仕方ない自分がいる。
でもXperiaシリーズもSonyTabletも早々にICS対応を打ち出してくれたので、半年くらいじっくり待つかなぁとも。
それにしても早く実機が触りたい！

ということで、全然まとまっていないけども基本的にICSマンセーという結論で終わり。

おまけ

エミュレーターを触ってて気になった画面などをオマケでズラズラ貼っとく。