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SONYのHMD 1stインプレッション



SONYのHMD「HMZ-T1」を購入して1週間。
毎日家に帰るのが楽しみで仕方ない。
帰宅したら「今日は何を見るか」をひとしきり悩んだ後、PS3を起動しHMDを装着して部屋を真っ暗にして、この新しすぎる視聴体験に没頭している。
部屋にいるのにいつも真っ暗だから不審がられてるかもw

ということで1週間経過後の1stインプレッションを残しておこうと思う。
ただ、このGadgetに関してはレビューがとても難しい。
この体験を伝えるには画像も文字も力不足だったりする。体験するしかない。
(なお今回のエントリにある画像はどれもイメージ画像です)
そしてこの体験をどう捉えるかの個人差も相当大きいようなので。

なので、あまり参考にはならない気がするが、あくまでも僕個人の感想ということで。

見え方はどんな感じか?

こうやって見ると覗き穴でしかないけど…
HMZ-T1の売り文句の1つが「20m先の750インチの画面のように見える!」というところ。
この宣伝の言葉だけで視聴もせずに買った馬鹿がこの僕でありますw

そんなワケで「本当に大画面に見えるのか?」というところが一番の関心事だった。
で、結論から言うと「宣伝はウソじゃなかった!」
本当にシネコンのそこそこ大きいスクリーンを真ん中くらいの座席から見ている感覚。
もうね、本当に「映画館が家にやってきた!」と言ってもいいくらい。

ただネットで色々な感想を拾うと、ここは大きく個人差がある部分でもある。
確かに「映画館感覚」を得るには多少のイマジネーション能力も必要。
だって実際には小さな覗き穴から小さな画面を見てるだけなんだから。
その現実を強く意識してしまう人には向かないんだろうなぁと思う。

それと「視界一杯に広がる大画面」を期待すると裏切られる。
あくまで「20m先の大画面」であることを忘れてはいけない。
つまり視界の中で画面の周りには結構な黒い部分があるということ。
その辺はホントに映画館をイメージするのが妥当だと思われ。

イマジネーションを壊さない環境作りも大事な要素。
端的に言えば徹底的な遮光だ。
映画館のように真っ暗にするのが一番。
周りが明るいと余計な物が視野に入ってきて「覗き穴」感覚になってしまう。

一点だけ気になる点は「レンズのフチへの光の反射」である。
このHMDではレンズを通して有機ELパネルを見ているワケだが、パネルが発する光がレンズのフチに反射して、フチの存在を目立たせてしまう現象がある。
コレは気になる人には気になるし「覗き穴」感覚を助長する要素ではある。
実際、僕も気になる時は気になる。

ただ、コレってメガネをかけてる人なら分かるだろうけど、メガネのフチと同じ。
特にイメージ的にはフチ無しメガネをかけた時の光の反射に似ている。
で、日常生活の中でメガネのフチが気になるかって言うとそんなに気にならない。
それと同じで、見ているコンテンツに没入すれば全然気にならなくなる程度。
(少なくとも僕は)

ただ、改善できるものなら次期モデルで改善して欲しいなぁと思う部分なのは確か。

解像度や色味

解像度・色味ともに十分な鮮明さかと
僕はAVオタってワケじゃないし、HMDもコレが初めてなのであまり比較対象が無いのだけど。
個人的には解像度・色味ともに非常に鮮明かつ鮮やかだと思っている。
家の50インチFullHDのプラズマと比べてもそれほど大きく違っているとは思わない。
むしろ暗めのプラズマに比べれば明るくてより鮮明にすら感じられる。

この製品はフルHD(1080p)ではなくハーフHD(720p)なので、ネットなどでも「フルHDじゃないと…」という声はよく見られるところだけど、僕はそれほど大きく違わないのではないかという気がしている。
少なくとも1080pと720pを見分けられる自信はあまり無い。
(まぁフルHDのHMDを見たことが無いので断言はできないのだけど)

それよりもこの製品の場合は、あまり広くない「スイートスポット」で見られるようにしっかり装着することの方がよっぽど大事だったりする。
ちょっとでもスポットを外していると画面端がボケボケになったり文字が滲んだりする。
どれだけ解像度が高くても装着がタコだったら全然意味が無いワケだ。

で、しっかり装着していれば解像度が低いというような印象は全く無い感じだ。

3Dの見え方はどうか?

カタログより
「クロストークの無い3D表現」というのもこの製品のウリの1つだ。
正直言って、僕は今まで3Dをウリにしている製品を全てバカにしてきた。
TVしかり、スマホしかり、3DSしかり。そんなもの消費者は求めてねぇよと。

なので今までマトモに3D映像を体験したことが無い。
ディズニーランド等のテーマパークで体験したくらいがせいぜいのところ。
クロストークって何??という状態だw

なので、この製品に期待していたのも主に「映画館体験」で、3Dは二の次という感じだった。
でも、その認識はあまりにも甘すぎた。

この製品で僕は3Dというものを完全に見直さざるを得なくなった
ホントすみません、今まで3Dバカにしてて。

3Dって言うと、こっちに火花飛ばしたり武器を飛ばしたり、なんかそういう「ビックリさせる」演出のイメージばかりを持っていたのだが、それはテーマパークの安い演出の中の話だった。

買い漁った3D対応コンテンツを見ていくうちに、3Dってとにかく「リアル」なんだというのがよく分かった。眼前にその人が本当にいる感覚。いつも見ているのと同じ感覚で広がる世界。

ジャック・スパロウの同じ人間とは思えない小さな顔と長い手足のリアル感とか、躍動感溢れるアグロに乗って走るワンダと巨像のワールドの美しさとか、2Dでは無かった感覚・見え方がスゴイ。
これに慣れてしまったら2Dじゃ物足りなくなってしまうくらいだ。

それでいてスゴイのが「3Dなのに目が疲れない」ということ。
ホントに全然疲れないのだ。おデコとか他の部分が先に疲れてしまうくらいだ。
「3Dは目が疲れる」という思い込みもこの製品で完全に払拭されてしまった。

問題があるとすると、3Dのコンテンツが圧倒的に不足していることだ。
レンタル屋でくまなく探してみてもほとんど見つからないし、セルのBDもそれほど多くない。
(しかもBDは高い!)
PS3のゲームはそれなりにあったりするけども。
最近、BS等の放送でも3Dコンテンツが放映され始めているらしいから、その辺に期待というところか。

サウンドはどうか

電源を入れると前面にブルーのランプが点灯
5.1chのバーチャルサラウンドに対応したヘッドホンもウリの1つ。
ただ、事前のレビューを色々と見る限り「イマイチ」との評が多かったので期待はしていなかった。

結論から言うと「期待してはいけないけど、それほどヒドくも無い」といったところ。
僕はSONYの「DS6000」というちょっと古いサラウンドヘッドホンをたまに使ってるのだけど、さすがにそれと比べると解像度や音圧・サラウンド感など少々不利ではあるが、かといって全然太刀打ちできないという程でもない。

サウンド設定でサラウンドのモードを色々と切り替えられるのだが、コレの初期設定である「スタンダード」、これがなかなかにヒドい音なのである。
これを「シネマ」や「ゲーム」にすればかなり聞ける音になるし、サラウンドをオフにすればそこそこの解像感のある音なんだと分かる。
つまり素性はあまり悪く無いと見た。

とりあえずコンテンツに没入していけば、音が気になるほど足を引っ張る場面というのも特に無くて、値段を考えればこれはこれで頑張った方なんじゃないかなぁと。
あと、耳に触れる部分がフワっと柔らかく、かけ疲れしないのも美点だと思う。

ただ、音の出力が付属ヘッドホン限定というのはやっぱり少し残念な点ではある。
特に家に5.1chの環境がある場合は、音だけはそちらから出したいという人も多いだろう。
やっぱりバーチャルサラウンドよりリアルサラウンドだし、体にズシっとくる低音だって感じたい。

プロセッサーユニットからサウンド出力を別の機器に飛ばす等で対処できる気がするので、この辺は是非次期モデルで対応して欲しいところ。

装着感はどうか

メニュー画面はこんな感じ
400gオーバーの重量物を頭に付けるワケだから、装着感も気になるところだろう。
ここは正直言ってなかなか厳しい評価をせざるを得ない

僕の場合、とにかくネックになったのがおデコに当たる「ヘッドパッド」の部分だ。
ここで重量の大半を支える仕組みなのだが、2時間も装着しているとおデコが激痛状態。
コンテンツに集中できないほど痛くなってしまうのだ。
デコにあたる部分の面積が必ずしも広くないのが理由だと思われる。

他の購入者の声をネットで拾ってみても、ここは共通の問題だと感じられる。
実際、2chなどを見ると様々な対処法が見つかる。
僕もおデコパッドなるものを100均で買ってきて対処することでかなりマシにはなった。
詳細は気力があれば別途エントリーするが、今は4時間くらいつけてても大丈夫な状態。

HMDの装着そのものは慣れてしまえばたいして手間はかからない。
ただ、先述のとおり画面がハッキリ見えるスイートスポットは必ずしも広くないので微調整はわりと大変だ。見ているうちに体勢を変えたりしてズレるようなこともあるし。

それと、メガネ装着状態でも問題なく装着できるのだが、やっぱり裸眼に比べると負担が大きい。
耳も鼻も痛くなってくる。
そんなワケで僕は基本コンタクトで使っているが、乱視が入ってるのと、左右で微妙に矯正視力がズレているらしく、コンタクトだと完全にクリアに見えないのが歯痒かったり。

まぁおデコパッドについては、今後3rdパーティーから換装用の改良ヘッドパッドが出るのではないかと密かに期待しているし、とりあえずの対策で4時間程度は見られるようになったので、目の疲れも考慮すればそれくらいで満足しなければいけないのかなぁなどと思ったりもしている。

その他

パンフレットより
その他いくつかの雑感をまとめて書いてみる。
思いついた順に書いているので適当だけど。

収納に課題
まずは本体の収納場所。
このHMD、本体がそこそこ大きいしケーブルも繋がってるし、精密機器だしということで、その辺に放り投げておくワケにはなかなか行かないのだけど、実際のところ、テレビの前の卓上に放り投げておいてあるのが実情。
なんか良いスタンドとかケースとか、今後の登場を期待したいところ。

「読む」のには向いてない
本機は「字を読む」という用途にはあまり向かないと感じている。
いや、ちゃんと読めるんだけど、眼球だけ動かして読むのは疲れるし、コレじゃなくていいかなぁと。
だからPCから出力してHMDでWEBブラウズしようとか全く思わない。
そういう用途を考えている人がいるなら再考したほうが良いかもしれない。

ちなみに、映画は字幕派の僕だけど、上記の理由によりHMDでの視聴時は吹替にしている。
(別に字幕が読めないということではないのだけど、画面に集中したい)

PS3ってやっぱスゴイ
HMDとは直接関係ないのだけど、このHMDでPS3を改めて見直した。
PS3が一台あれば簡単操作で3D出力ができるし、BDも3Dでゲームもできる。
PS Storeで3D対応の動画やゲームを購入することもできる。
HMDとの相性良すぎ。

PS3とHMD、それに3D対応のBDやゲームを数本買っても10万円でお釣りが来る。
で、この対価として得られる体験は「プアマンズ・ホームシアター」などと言うにはあまりにも出来過ぎた環境で、同じレベルのものを従来の手法で作ろうとしたら一体いくらになるのか…というコストパフォーマンスの良さは特筆モノだと思う。

僕の些細な夢として、将来はプロジェクター&スクリーンのシアタールームを作りたいというのがあるのだけど、それを実現するために乗り越えなければいけない様々な困難や支出を考えると、このHMDスタイルっていうのは現実的かつ妥協の少ない解として有り得るのかもなぁなどと思いつつある。
人にはあまり見られたくない
HMDは非常にパーソナルな製品だし、装着中は視界も聴覚も完全に奪われて無防備になる。
なので装着している姿はあまり人には見られたくないなぁと。
特にAVを見てる時とかw (余談だが3DのAVのリアル感は一度見ておくべきww)

僕は単身赴任中というこの最高に恵まれたHMD視聴環境を当分じっくりと堪能していこうと思っている。

あー、いい買い物したなー。

【参考】3D対応のBlu-ray製品


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