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年度末セールと苦渋の選択

大型TV購入の2つの最終候補。
Panasonicの50型フルHD PDP「VIERA PZ600」。
そしてPioneerの美しいPDP「PureVision 507HX」。
時は3月下旬。ともにモデル末期。
VIERAは価格が一気に下落。
507HXはタマ数が一気に減少。
そんな状況は前回エントリのとおりだ。
状況は、誰が見ても「VIERAの選択」が合理的であるという方向に傾いていた。
とはいえ、5000EXの鮮烈な印象から始まったPioneerへの憧憬はそう簡単には消えなかった。
画質がどうだとか、フルHDがどうだとか、そんな紙上のSPECの話にいつまでも捉われていたワケではない。
実際、印象としてPioneer機の画質が若干上回る感じはあったが、そこまで圧倒的な差ではなかったし、フルHDじゃないことを差し引けば両者の製品的魅力は同等であった。
この選択は、私にとってはもう「自分のコダワリをどう発揮するか」という問題であり、「自分の趣味に対するアティチュード」と「現実のオカネ」との攻めぎあいであった。要するに「自己満足」に如何に割高なオカネを払えるか、だ。


こんなとこで自分語りしても仕方ないのだが、「ド定番なもの」よりも、マニアまではいかないんだけど少し「コダワリがあるもの」が好きなのだ。
そして「デザインが良いモノ」も大好きなのだ。
パソコンはMAC。クルマはMINI。
プライベートでWindowsを進んで使う気になれない。
トヨタ車には多分一生乗らないだろう。
極めて感覚的な話だが、つまりそういう嗜好なのだ。
この嗜好からすると、VIERAは「トヨタ車」なのだ。
たぶん「失敗」はない。でもちょっと物足りない。
シェアは低いが、「技術」と「美しさ」を感じさせるPioneer機に惹かれたのも、やはりそういった私の嗜好ゆえなのだろう。
しかし、TVは家族共用の「家電」だ。
自分しか使わない趣味のモノであれば、自分のコダワリをそのまま発揮することに何の躊躇もないが、こと家電に関してはそうはいかない。
だって普通の感覚ならVIERA買うし。
そしてヨメは普通の感覚の持ち主であった。
モノとしてPioneerの方に魅力があることには同意してくれたが、あまりにも圧倒的なCPの差、そして「画質」という曖昧なものでなく、「フルHD」という分かりやすい記号を備えたVIERAに惹かれるのは当然のことだろう。
そんな状況の中、家電量販店で「年度末セール」が始まった。
週末の折込チラシに紛れていたヤマダ電機の広告。
「期間限定ポイント1.5倍」セールを告知していた。
VIERAの広告掲載価格44万強。ポイント20%。
しかも、ここから更に値引くと言う。
ポイント1.5倍だから実質ポイント30%で、要するに広告掲載価格ですらポイント込の実質価格が30万円チョイだ。
ハッキリ言って価格comのトップ並みに安い。
ヨメの心が一気にVIERAに傾いた。
しかし私はまだフンギリがつかなかった。
ウダウダ言ってその週末をやりすごした。
ウィークデーに心の整理をしたかったが、結局決められないままに翌週末を迎える優柔不断男ぶりを大発揮。
そこに再びヤマダの広告。
「期間限定ポイント1.6倍セール」の告知。
(おいおい、先週買ったヤツが暴動起こすぞ。)
さすがにヨメに急かされ、重い腰を上げた。
店舗で改めてVIERAにご対面。
うん、全然問題ないよ。自分に言い聞かす。
値段も確認。広告掲載価格からの値引きはせいぜい数千円程度でたいしたことはなかったが、ポイント込実質30万円という時点で既に爆安なのは変らず。
しかし往生際悪く、店舗の片隅にひっそりと置いてあるPioneer機のところへ。
ところが「在庫なし。現品限り」の現実に直面。
でも「現品限り」ならかなり安いかも?
かすかな希望を求め価格をヒアリング。
「39万円です。」
その瞬間、決まった。
(しかもその「現品」のピアノブラックのフレームに消せないキズが付いてたりして、さすがに「ありえねぇ」「ヤマダ売る気ねぇ」となった次第)
モデル末期・在庫処理&年度末セール時のVIERAの圧倒的なコストパフォーマンスの前に、私の小さい「コダワリ」など陽炎のように消滅せざるを得なかった。
その場で購入手続き。
せめてもの抵抗は、VIERA純正のTV台(通称「ハカマ」)にはしなかったこと。ポイントで据置スタンドを購入した(このスタンドがまたノペーっとしてるんだな)。
長きに渡った大型TV購入の選択はこうして「VIERA購入」という結果で終了した。
もう迷わなくていい。
来週からは50型の大型TVを楽しめるんだ!
そう自分に言い聞かすが、なぜか敗北感の残る結末であった。
しかし同時に、私の興味は「コイツのTV台をどうするか」ということと、「10万円近く残ったポイントの使い道」に移っていった。
次回エントリはこのあたりについて。

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