冷静になってXperia arcの実機を触ってきた

3月4日のArcの予約受付開始を、忙しさにかまけてスルーしてしまった。
ネットのレビュー等でArcの評判が非常に良いので、実機を触っていないにもかかわらず浮き足立って予約する気満々だったのだが、結局予約できなかった。
ある意味それで冷静になり、「どうせ初回入荷逃すなら実機触ってから決めよう」と、ある意味当然の購入プロセスを踏む気になった。

で、週末に故障していたGalaxyTabの引き取りでドコモショップに行ったら、思いがけずArcとMediasのホットモックに遭遇。こんな東北の田舎でこのタイミングでホットモックに触れるとは思ってなかった。
というワケで、サクサクっと実機体験してきたのでその感想でも。

デザインがやっぱりイイ！

個人的にArcが欲しくなる一番の決め手はデザイン。
現行のX10（SO-01B）のデザインも十分お気に入りなのだが、あの「Arcフォルム」はやっぱり存在感大。
実機を見てもその印象は変わることなく、非常に気に入った。

薄くて軽いし、持ちやすいし、カッコ良いし。
やっぱりデザインはXperiaシリーズの最大の武器だよなぁと。

質感も上がっている感じ。
現行のX10はなんだかんだ割とプラスチッキーなところがあって、マテリアルとしての質感は例えばHTC端末なんかに比べると低い感じだったのだけど、今回はそのプラスチック感がだいぶ薄くなったなぁと思った。
まぁそもそも前面はほとんど液晶だし、側面はほとんどメタルフレームだしということで、プラスチックの絶対量自体が減ってるのが大きいのかな。

背面のカバーは（たぶん）プラスチックなのだけど、塗装が上質な感じで質感は高い。
ただ、手触りはちょっとペトっとしていて、現行X10のマットな感じの方が個人的には好みかも。
実機がMidnight Blueしかなかったので、他の色だとまた違う感じなのかもしれない。

液晶が大きくなっていたりするのでサイズ感も心配だったのだが、ほとんど違和感なし。
女性にはやっぱり大きいのだろうとは思うが、X10で普通に操作できてればOKっぽい。

操作性など

さすが最新のGingerbreadを搭載しているだけあって、操作性は至って快適。
残念ながら今のX10とは比較にならない感じ。いわゆるヌルヌルってヤツじゃないかなと。
マルチタッチにも当然対応しており、ブラウザの拡大縮小なんかも、くぱぁ～と快速・快適。

これくらい快適に動いていれば、iOS搭載機とかGalaxySとか使っている人でもそう違和感なく使えるんじゃないかなぁと思う。ま、横に並べて使い比べれば多少の違いはあるのかもしれないが、ほとんど誤差の範囲と思われ（僕はAndroid好きだけども一応iOS暦の方が長いので、割と公平に言ってるつもり）。

ちなみに僕はNexusOneを先日アップデートさせてGingerbreadで使っているのだけど、NexusOneでもOSアップデートの効果は如実で、QuadrantのスコアこそFroyo時代より若干落ちたものの、体感の動作速度はハッキリと上がった。
で、そのN1とArcで比較すると、非常に微妙な差だけどN1の方がキレがあるかなぁって感じ。
ホント、微妙な差でしかないけど。

ただ操作に不快感が無いのは明らかにArcで、それはXperiaシリーズの美点であるハードウェアボタンのお陰だろうなぁと。
最近のAndroid端末はタッチ式のボタンが多いけど、やっぱり物理的なボタンでちゃんと「押した感」がある方が遥かに使いやすいと個人的には思っている。
（なにせN1のボタンもGalaxyTabのボタンも結構ストレスフルなのだ。）

ただ、Arcはボタンの配置がX10から変更されているため、X10から乗り換えるとしばらくは相当違和感があると思われる。僕もひたすら間違え続けていた。

細かい改善点なども色々ありそう

たまたま気づいたのだけど、着信音選択の画面なんかはX10のダイアログ方式から大きく変わっており、更にmicroSDに入れた楽曲からも選べるようになっているなど、だいぶ改善されていた。
（X10だとアプリ入れないとコレができない）

店頭だったのでコレくらいしか見つけられなかったけど、たぶん色々と細かい改善がされているんだろうなぁと思われる。

ソニエリならではのBackgroundプロセスは健在

X10が他のAndroid端末より「モッサリ」と言われる理由の一つに、ソニエリ独自のカスタマイズによってBackgroundで色々な（余計な！？）プロセスが動きまくってるというところがあるのだが、それはArcでも健在のようだ。
逆に言えば、これだけプロセスを動かしててもN1とそんなに変わらない動作速度なのはスゴいのかも。

ただ、FreeMemoryの数値はN1ほど余裕がない感じ。
写真では60MB余ってるけど、アプリを色々と入れていくとX10並になって、GC閾値の24MBとか32MBにすぐなってしまうのではないかというのが心配。
N1の場合、コレが100MB切ることはほとんど無いからなぁ・・・。

プリインストールのソフト等

プリインストールのソフトを全部試したワケじゃないけど、いくつか試した中で一番好印象というか「羨ましい！」と思ったのはやっぱりカメラだ。
カメラの起動も撮影もX10とは比べ物にならないほど快速で気持ちが良い。
画質までは比較できなかったけども、ExmorR対応など悪くなる要素が無いので、きっと良いのだろう。
ただ、カメラボタンは小さくて少し固めで必ずしも使いやすいわけではない。
（まぁこれはX10でも同じだけども）

少し気になったのは、カメラで撮影した写真が自動的にギャラリーアプリに読み込まれなかったこと。
カメラアプリの右側にある写真一覧をタップすると独自ビューアで見ることができて、そのビューアから標準のギャラリーアプリで写真を開くことは可能なのだが、ホーム画面からギャラリーアプリを単独で立ち上げても、撮った写真が入っていなかった。この辺は激しく謎。
店頭での短い時間では解明できなかったので、実機買った人のレポに委ねよう。

プリインストールのソフトでもう一つ良かったのが音楽プレーヤー。
Widgetのデザインも良いし、何よりMediascapeに比べて非常に軽いし、イコライザまである。
何気にInfiniteボタンなんかも残っていて、YouTubeの関連検索なんかもサクっとできるし。
コレあればMusic Playerアプリは要らないなぁと。

ちょっと心配なROM容量

ほとんど不安要素のないArcで唯一といって言い不安要素は内蔵ROM容量だ（個人的見解だが）。
上の写真のとおり380MBしかない。X10ですら465MB、GalaxySなら16GBもあるのにである。
しかもデフォルトで既に150MBくらい使われてる。
（お客さんがインストールしたアプリもそこそこあったので、実際はもっと少ないハズだが）

僕はアプリを入れまくる人で、常時100以上のAppが入ってるので、X10ですら容量のやりくりには普段から結構苦労している。
ArcはX10とは違ってGingerbreadなのでApp2SDに対応しており、そういう意味ではX10より容量が少なくても良いのかもしれないが、全てのアプリがSD保存に対応しているワケでも無い現状では、やっぱり容量は多い方が安心感がある。
せめて1GBくらいあればなぁ・・・と思ってしまうところだ。

まぁもっと容量の少ないNexusOneでも何とかやっていけてるから大丈夫とは思うが・・・。



ちなみに容量がバカデカいことで有名なドコモ謹製アプリだが、プリインストールされているspモードメールは20MBほどを食っている。
しかしこれはメールデータが入っていない状態なので、例えば僕のX10上での環境を移すと50MBほどの容量になると思われる。

他にも例えばドコモの電子書籍アプリである「2Dfacto」なんかを入れるとコレだけで100MBくらいになったりする世界なので、やっぱり内蔵ROMが少ないというのは少々困りものだ。

ただ、プリインストールアプリの大半は実際のアプリのインストールを促すショートカットアプリなので、事前に心配していたほど容量を食っているワケでは無さそうだ。

全体的な感想

やっぱりウワサどおり、X10からは大幅かつ順当な進化だなぁと。
そしてX10はやっぱり人柱端末だったんだなぁとw
これからArcユーザーになる人は我々人柱のフィードバックに感謝してくださいｗ

不安なのは前述の内蔵ROM容量くらいで、それを補って余りあるデザインの魅力、動作速度、高性能なカメラ・・・、そして試していないけどHDMIをはじめとしたSONY製品とのコネクティビティなどなど、国内で買えるAndroidのグローバルモデルとしては現時点もっともオススメできるのではないだろうか。

少なくとも発売時点でOS周回遅れ・マルチタッチ非対応だったX10に比べれば、ホントに万人にオススメできる端末になったなぁと。

じゃあお前買うのかと？

えー、結論から言うと見送ります。
こんだけ持ち上げといてナゼこの結論なのか。

実は昨年Xperiaを買った時の自分のレビューを読み返して思い直しちゃったんだよね。
→ Xperia機種変から2週間たっての感想 | INITIAL M

つまり、AndroidからAndroidへの買い替えを既に一度経験済みな僕の経験からすると、初めてAndroidを買った時の驚きとか感動は、Arcへの買い替えでは実現できないんだ。
「デザインが良くなった！」「動作が速くなった！」「カメラが良くなった！」って、それ去年HT-03AからXperiaに乗り換えた時の感想そのまんまなんだよね。
それって下手すりゃ3日で慣れちゃうような話なんだなぁ。
特に僕の場合はNexusOneもGalaxyTabも持ってたりするので感動の度合いはますます低いことが見込まれる。

去年書いた上記のレビューでも触れてるんだけど、結局端末単体でやれることって限られていて、Arcに買い換えたからって、出来ることはそんなに増えないんだよなぁ。
これがiPhoneに乗り換えるとなると各種ストア等のコンテンツで楽しむことができるのだけど。
そういう意味では日本未発売だけどXperia Playの方が世界が広がるかなぁなどと思ったり。

あとは「Azusa」が後ろに控えてる問題。
あ、「Azusa」はドコモの山田社長がポロリしちゃった、夏に出るというウワサのおサイフ・ワンセグ付きXperiaのこと（auからも出ると言われている）。

ワンセグはどーでも良いのだけど、おサイフは個人的には凄く欲しい機能で、実用上はカメラなんて遥かに上回るほど僕にとっては重視したい機能。
おサイフはサービスの土壌がもうしっかりとあるので、端末としてやれることの幅が確実に広がるワケで、それを考えると、用途がたいして広がらない現状のArcに飛びつくのは尚早だなぁと思ってしまった次第。

それに国内メーカーのおサイフ搭載機に地雷臭を感じる者として、グローバルモデルを手がけるソニエリがおサイフを搭載してくれるなら待とうじゃないかと。
ひょっとしたらCPUが2コアになるかもしれないし、内蔵ROMも増えるかもしれないし。

ということで、非常に良い端末なんだけど、しばらく静観することにした次第。
それにしてもArcでAndroidデビューする人が羨ましいわぁ。

※ Mediasも見てきたんだけど、これ以上長文にするのもアレなんで、感想はまたの機会に。